カテゴリ:ヒートショック考( 3 )

ヒートショック考3

前回「ヒートショック考2」で母が倒れた時の温度状況を以下のように分析しました。

①LD:体感21℃

②廊下:体感11℃、温度差10℃、血圧上昇

③洗面脱衣室:衣服を脱ぎ体感温度低下、血圧上昇

④浴室:お湯をかぶってすぐ浴槽へ、湯温42℃、温度差31℃、血圧急降下

⑤洗い場で倒れる


単に温度差だけで見ると、浴槽に浸かった時が30℃以上で圧倒的に大きくて、廊下とかに出た時の温度差はたいしたことがないように見えます。

では、断熱性が高く全館暖房の場合はどうなるでしょうか。
仮に全館20℃で理想的に室温維持されたと仮定すると、

①LD:体感20℃

②廊下:体感20℃、温度差0℃

③洗面脱衣室:衣服を脱ぎ少々体感温度低下、少々血圧上昇

④浴室:体を洗いシャワーを浴びて浴槽へ、湯温42℃、温度差22℃、血圧降下

これでも浴槽に浸かった時に温度差22℃ありますので危険な感じがします
が、安全だと言われています。
実際、このような全館暖房の建物で入浴する時の体感は、非常に楽で快適です。

室温20℃くらいあると、脱衣時に震える事はないですし、あわてて浴槽に浸からないでも凍えないので、体を洗ってシャワーを浴びてお湯の温度に慣らしてから入浴できます。
この慣らしができるのは重要な気がします。


(つづく)
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by katosans | 2012-05-04 07:32 | ヒートショック考 | Comments(0)

ヒートショック考2

さて、母は亡くなった2月24日にどんな温度差のヒートショックを受けたのだろうか。

母の経路は、LD→廊下→洗面脱衣室→浴室。
時間は19:00.

LDに関しては、FFガスファンヒーターを大晦日と同じく24℃設定でフル運転なので、
室温環境は大晦日とほぼ同じだったと想定できる。体感温度は21℃くらいと仮定。

問題は廊下。
2月24日19:00の所沢の気温をあたると、10.9℃。
実家の辺りはこれより2~3℃低いと思います。
ここからエイヤで温度状況を想定してみると、
床:8℃
外壁:10℃
天井:14℃
室温:10℃
あくまで適当ですが・・・
体感は約11℃としましょう。

風呂は在来のタイル風呂。
洗い場がかなり寒いので、冬場はまず浴槽に入って温まってから洗い場で体を洗う。
給湯器の風呂の温度設定は42℃。


では、経路追ってみましょう。
①LD:体感21℃

②廊下:体感11℃、温度差10℃、血圧上昇

③洗面脱衣室:衣服を脱ぎ体感温度低下、血圧上昇

④浴室:お湯をかぶってすぐ浴槽へ、湯温42℃、温度差31℃、血圧急降下

⑤洗い場で倒れる


冬場の典型的なヒートショックの受け方だと思う。

つづく
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by katosans | 2012-04-01 22:49 | ヒートショック考 | Comments(2)

ヒートショック考1

3.11からの1年、大いに価値観を揺るがされ、考えさせられる事が多かった。
特に仕事の面では、エネルギーと住環境について考え悩む1年だったといえる。

この1年の締めくくりに、母の死が突然やってきた。
死亡診断書には「急性心不全」という言葉が書かれたが、
「ヒートショックによる浴室での突然死」と表現した方が分かりやすい。

「ヒートショック」は、高断熱住宅を扱う仕事をしているのであまりにも耳に馴染んだ言葉だ。
しかし今までこれほどまでリアルに響いてきた事は無かった。
「ヒートショック」について考える動機を与えてもらったのだと思うことにする。

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まずは、母の住んでいた実家の状況からはじめよう。

所在:埼玉県入間市
建物:在来木造2階建て、4LDK、建売住宅
築年数:27年(1985年築)
居住者数:父母の2人

築年数から想像できるとおり、断熱はグラスウール、サッシはアルミ単層ガラス。
小屋裏と床下の断熱が非常に貧弱なタイプ。
当然、全館冷暖房は望めない。
夏冬はLDと寝室の単室を閉めて冷暖房を行う住まい方。
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昨年の大晦日、帰省した際に温度測定を行った。
以前載せたが、再度おさらい。

日時:2011/12/31 21:00測定

LD(南向き居室 FFガスファンヒーター24℃設定)
床:15.7℃
外壁面:21.7℃
天井(2階界床):22℃
(室温:24℃)

廊下(北向き 無暖房)
床:0.8℃
外壁面:2.6℃
天井(2階界床):4.8℃
(室温:10℃以下)

室温は測っていなかったが、
LDはファンヒーターの室温表示が24℃だったので仮に。
廊下は自宅マンションの廊下より明らかに低温に感じられたので10℃以下は間違いない。

体感温度は床・壁・天井と室温の平均値といわれる。
LDの体感温度=20.85℃
廊下の体感温度=4.55℃以下

LDと廊下の体感温度の温度差は16.3℃以上
(実際、廊下室温はもっと低かったと思うので20℃くらいかも)。


「床からの熱の逃げが大きい」

「居室はパワーの有る暖房機を使って24℃設定くらいで強力に暖める」

「居室の上下温度差が出るが、平均温度はどうにか20℃程度になる」

「無暖房の廊下や水廻りの床温度は外気温に近い、室温も無暖房なので10℃以下、平均の体感温度だと5℃以下」

断熱の弱い家の典型的な温度環境だと思う。
居室を快適にしたくて強力に暖房し、温度バリアが大きくなる。


ヒートショック考2では、
亡くなった2月24日に、母はどんな温度差のヒートショックを受けたのかを考察しようと思う。
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by katosans | 2012-03-28 14:06 | ヒートショック考 | Comments(0)