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ヒートショック考1

3.11からの1年、大いに価値観を揺るがされ、考えさせられる事が多かった。
特に仕事の面では、エネルギーと住環境について考え悩む1年だったといえる。

この1年の締めくくりに、母の死が突然やってきた。
死亡診断書には「急性心不全」という言葉が書かれたが、
「ヒートショックによる浴室での突然死」と表現した方が分かりやすい。

「ヒートショック」は、高断熱住宅を扱う仕事をしているのであまりにも耳に馴染んだ言葉だ。
しかし今までこれほどまでリアルに響いてきた事は無かった。
「ヒートショック」について考える動機を与えてもらったのだと思うことにする。

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まずは、母の住んでいた実家の状況からはじめよう。

所在:埼玉県入間市
建物:在来木造2階建て、4LDK、建売住宅
築年数:27年(1985年築)
居住者数:父母の2人

築年数から想像できるとおり、断熱はグラスウール、サッシはアルミ単層ガラス。
小屋裏と床下の断熱が非常に貧弱なタイプ。
当然、全館冷暖房は望めない。
夏冬はLDと寝室の単室を閉めて冷暖房を行う住まい方。
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昨年の大晦日、帰省した際に温度測定を行った。
以前載せたが、再度おさらい。

日時:2011/12/31 21:00測定

LD(南向き居室 FFガスファンヒーター24℃設定)
床:15.7℃
外壁面:21.7℃
天井(2階界床):22℃
(室温:24℃)

廊下(北向き 無暖房)
床:0.8℃
外壁面:2.6℃
天井(2階界床):4.8℃
(室温:10℃以下)

室温は測っていなかったが、
LDはファンヒーターの室温表示が24℃だったので仮に。
廊下は自宅マンションの廊下より明らかに低温に感じられたので10℃以下は間違いない。

体感温度は床・壁・天井と室温の平均値といわれる。
LDの体感温度=20.85℃
廊下の体感温度=4.55℃以下

LDと廊下の体感温度の温度差は16.3℃以上
(実際、廊下室温はもっと低かったと思うので20℃くらいかも)。


「床からの熱の逃げが大きい」

「居室はパワーの有る暖房機を使って24℃設定くらいで強力に暖める」

「居室の上下温度差が出るが、平均温度はどうにか20℃程度になる」

「無暖房の廊下や水廻りの床温度は外気温に近い、室温も無暖房なので10℃以下、平均の体感温度だと5℃以下」

断熱の弱い家の典型的な温度環境だと思う。
居室を快適にしたくて強力に暖房し、温度バリアが大きくなる。


ヒートショック考2では、
亡くなった2月24日に、母はどんな温度差のヒートショックを受けたのかを考察しようと思う。
by katosans | 2012-03-28 14:06 | ヒートショック考


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