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太陽熱温水器の設置角度は20~30°がほんとに良いのか?

2011年竣工ご入居のIさんより貴重な「太陽熱温水器の実証データ」をいただきました。

この家は、太陽熱温水器(自然循環式タイプ)を載せて、
このお湯を浴槽用の定量止水が付いた混合水栓で使えるようになっています。

ちなみに、この家の熱源はちょっと変則的で、
給湯はガス+太陽熱温水器、調理はIH(電気)となっています。

先月9月のガス使用がゼロになったとの事で、
頂いたデータのガス使用量を見ると確かに0m3、
さすが、太陽熱温水器。
しかし、
使用量ゼロにするには、台所、洗面のお湯を使わず、浴室もシャワーは使わないことになりますので、
家族の一致団結がなければなかなかできるもんじゃありません。
一番すごいのはIさん家族でしたね。

それはそうと、頂いたデータ。
エクセルで15くらいのシートになっているデータで、
ガスの使用量から太陽熱温水器関連の細かな臨床データがぎっちりです。
水道水の温度、取り出した温水の温度がほぼ毎日丹念にチェックされ、気象データとも比較できるようになっています。

あまりに凄いので、どんなふうに料理するかはまだ見当も付きませんが、
ご興味ある方はご来社時にでも声掛けていただければお見せします。
(データ公表に関してOK頂いたIさんに感謝!)


いよいよ今回の本題。
「太陽熱温水器の設置角度は20~30°がほんとに良いのか?」

Iさんのデータをちょっと見てください。
太陽熱温水器の設置角度は20~30°がほんとに良いのか?_f0139318_15552575.jpg

これは太陽熱温水器から何℃のお湯が取れたかを、5℃単位でプロットしたものです。
(見かたが分からない方は今度会った時でも声かけてください)

下のほうに書いてある「無駄な高温日」「無駄な高温率」、ここがIさんの視点の鋭さをあらわします。
「無駄な」という意味は、お風呂で利用するので取り出した温度が45℃を上回ったら無駄な温度になっている=エネルギーを捨てている、ということです。

なんと、5月~9月まで無駄比率が50%を超えます。

さて、太陽熱温水器の設置角度は20~30°とされていて、
恐らくこのあたりが参考↓
太陽熱温水器の設置角度は20~30°がほんとに良いのか?_f0139318_15555158.jpg

(参:既存住宅の省エネ改修ガイドライン)
Iさんの「無駄な」視点を経過してこのデータを見ると、
この表は恐らく、無駄に高温だろうがなんだろうが取り出せた温度をエネルギー換算してるんじゃないかという確信を持ちます。

そうすると、実践で最も効果が出る設置角度は、
夏の集熱が下がっても良いので冬主体、
もっと立てて急な角度にした方が良いのではないかというアイデアが生まれます。

どなたか、50~60°に立てて設置して検証している人はいませんか?


このデータ、もう少し読み込めたらまた話題にしたいと思います。
Iさんに感謝。ではまた。
by katosans | 2012-10-17 16:04 | 住宅への道


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